パソコン買い換え後のデータ移行方法と初期設定後の環境設定を解説

新しいパソコンに買い替えたら、パソコンの初期設定やインターネットへの接続、以前使用していたパソコンからのデータ移行(引越し)など、やることがたくさんあります。面倒臭いからと放置していると、いざ必要となったときにうまく使えなくてイライラしてしまうことも。
そこで今回は、パソコンを買い替えた際にやるべき古いパソコンから新しいパソコンへのデータ移行(引越し)の方法と注意点、初期設定後の環境設定についてご紹介します。
パソコン買い替え後にデータ移行(引越し)する準備と注意点

古いパソコンから新しいパソコンへデータを移行(引越し) する際に覚えておきたい注意点をご紹介します。
新しいパソコンへ移行したいデータを整理する
前のパソコンに保存してあるデータの中で、今後も利用するものはまとめて整理しておきましょう。意外と忘れがちなのは、デスクトップに一時保存しているファイル類です。不要なデータは削除し、必要なものだけを残すとデータ移行がスムーズに進みます。
また、今はクラウドを利用してパソコンからデータの移行をすることもできますが、インターネットへの接続がうまくいかない場合に備えて、外付けハードディスクへもバックアップを取っておくと良いでしょう。詳しいデータ移行の方法は後程ご紹介します。
ソフトウェアやメールの移行を忘れずに!
新しいパソコンで利用するソフトウェアをリストアップしておきます。必要な設定やパスワード、メールサーバーの設定などはテキストデータにして、USBメモリーなどに保存しておくと良いでしょう。年賀状ソフトなどを利用している場合はソフトメーカーのHPなどでパソコン買い換え時の住所録の移行方法なども確認しておきましょう。
また、パソコン買い換え時に見落としがちで注意したいのがインターネットのブラウザに登録しているお気に入り情報です。
その他よく使うサイトのログインIDとパスワードなどもブラウザに保存しているかたも多いのではないでしょうか。忘れてしまってログインできなくなることが無いようログインIDやパスワードを控えておきましょう。
データ移行は時間に余裕をもって実行!
データ移行の時間はプロでも断言ができません。データの容量やパソコンのスペック等によっても時間は異なります。データのコピーが数十分で終わるケースもありますが、数時間から半日以上、長時間の作業となる場合があります。
外出中に移行がうまくいかずデータのコピーが途中で止まってしまうといったケースもありますので、時間に余裕のあるときにデータの移行を実施しましょう。
電源コードが必須!
先述のとおり、パソコンへのデータ移行は長時間に渡るケースもあります。ノートパソコンをご利用の場合は、必ず電源コードを接続してからデータの移行作業を始めるようにしましょう。途中でバッテリーが切れてしまい、データ移行が完了できなかったとならないよう注意しましょう。
パソコン買い替え後に行うこと

パソコン買い換え後に行うことは下記の通りです。
- 【Step 1】インターネットに接続する
- 【Step 2】Windows Updateを行う
- 【Step 3】周辺機器との接続及びアップデートを行う
- 【Step 4】ソフトウェアをインストールする
- 【Step 5】以前のパソコンのデータを移行する
この順番で行うことが重要です。詳細をご説明いたします。
【Step 1】インターネットに接続する
新しいパソコンをインターネットに接続しましょう。インターネットに接続できないと、データ移行するためのクラウドへの接続やメールの設定などを確認ができません。また、ワイヤレスネットワークを利用する場合は、ワイヤレスネットワークアダプターが認識されていることを確認し、ワイヤレスネットワークに接続します。
ワイヤレスネットワークアダプターの認識を確認する
以下の手順で、ワイヤレスネットワークアダプターが認識されていることを確認してください。なお、ワイヤレスネットワークアダプターが表示されていたら、モデムをセットアップしてワイヤレスルーターを設置します。詳しい手順は、モデムやルーターの取扱説明書を参照してください。
- 「スタート」アイコンをクリックします。
- 検索ボックスに「デバイス マネージャー」と入力しましょう。
- 「ネットワーク アダプター」をクリックします。
- 「ワイヤレス」が含まれているネットワークアダプターを探してください。
※「Wireless」と英語表記で表示されるケースが多いでしょう。
ワイヤレスネットワークに接続する方法
パソコンをワイヤレスネットワークに接続する前に、セキュリティの設定を行います。ルーターでサポートされている場合は、WPAやWEPよりも強固な暗号化方式のProtected Access2(WPA2)セキュリティの使用がおすすめです。パスフレーズをメモして、安全な場所に保管しておきましょう。
準備ができたら、以下の手順でパソコンをワイヤレスネットワークに接続します。
- 通知領域でネットワークのアイコンを選択
- 一覧から接続先のネットワークの名前を探す
- 接続したいネットワーク名を選択し「接続」を選択
- パスフレーズの入力欄に、パスワードを入力
※ 上記以外の手順がある場合は、画面に従って接続
無事インターネット接続が完了したら、Webブラウザを起動して表示を確認してみましょう。
【Step 2】Windows Updateを行う
OSが最新の状態に更新されてないとセキュリティー面に不安があるため、インターネット接続後は一番最初にWindows Updateを行いましょう。
【Step 3】周辺機器との接続及びアップデートを行う
プリンターやデジカメ、テレビなど、ネットワーク接続で利用していた機器が、これまでと同じように利用できるようにします。ほとんどの場合は、ドライバーやソフトウェアの再インストールが必要です。各会社のWebページを参照してインストールを行い、最新のアップデートを確認してください。
【Step 4】ソフトウェアをインストールする
これまで使用していたソフトウェアやツール類をインストールし、設定を行ってください。ここでは代表的な、ソフトウェアやツールのインストールについてご紹介します。
メールソフトを設定する
メールソフトは、インストール後にアカウントやメールサーバーの設定を行わなければなりません。あらかじめアカウント情報や送信・受信サーバーの情報をメモして、USBメモリーなどに保存してから設定を行いましょう。
また、各メーラーのWebサイトを確認して、新しいパソコンへの移行方法や送受信メールをエクスポートする方法について、調べておくことをおすすめします。
Webブラウザの「お気に入り」を移行する
Google ChromeやInternet Explorer、EdgeなどのWebブラウザの「お気に入り」機能を頻繁に利用している方は多いと思います。ほとんどのWebブラウザは、「お気に入り」機能のインポートとエクスポートを使用できます。
新しいパソコンに移行する前に、古いパソコンで「お気に入り」をファイルにエクスポートし、新しいパソコンにインポートすることで、「お気に入り」の移行が可能です。
ここではGoogle Chromeの作業手順をご紹介します。
- まずはお気に入りのデータをエクスポートするのでGoogle Chromeを立ち上げます。
- 次に右上に「・」が立て三つに並んでいるその他のメニューをクリックします。
- 「ブックマーク」を選択し、「ブックマークマネージャー」をクリックします。
- ブックマークの画面で、右上のメニューを開き「ブックマークをエクスポート」でデータを出力します。
- 次に出力したデータを新しいパソコンへ移行したら、Google Chromeを立ち上げます。
- 手順2.と同じくその他メニューを開きます。
- 「ブックマーク」を選択し、「ブックマークと設定をインポート」から画面の手順に沿ってインポートします。
手順3.で示した「ブックマークマネージャー」の画面からもインポートが可能です。
以上です。お使いのブラウザによって方法や表記が異なりますが、複雑な手順ではありませんので、各ブラウザ別の方法で試してみましょう。
ユーザー辞書を移行する
日本語入力にMicrosoft IMEを使用していて、ユーザー辞書登録をしている場合は、IME辞書ファイルの移行は比較的簡単です。ユーザー辞書を移行するには、IMEのツールバーからユーザー辞書ツールを表示させ、ユーザー登録した辞書の一覧ファイルを保存したあと、新しいパソコンで読み込みます。
IMEのバージョンによっては表示されるメニューが異なるため、詳細はIMEのヘルプを参照してください。
【Step 5】以前使用していたパソコンのデータを移行する
最後に以前のパソコンで使用していた各データを移行してください。
Windows Updateや周辺機器、ソフトウェアのアップデートを実施後でなければ、セキュリティー面に不安があるため、各種アップデートを実施後にデータを移行することが重要です。


修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの設定サポートを当サイト掲載中 |
料金 | 基本料金 8,800円 + パソコン設定サポート 3,300円~ + 出張サポートは2,200円追加 |
パソコン買い替え後のデータ移行(引っ越し)方法及び特徴

パソコンの買い替えに伴うデータ移行(引越し)は下記を使用して行うことができます。
- USBメモリーを使用する場合
- 外付けHDD/SSDを使用する場合
- クラウドサービスを使用する場合
- バックアップソフトを使用する場合
- USBケーブル・LANケーブルを使用する場合
- 【Windows】OS搭載の機能を使用する場合
- 【Mac】OS搭載の機能を使用する場合
USBメモリー、外付けHDD/SSDなどの外部ストレージやクラウドサービスでデータ移行を行う場合、移行するデータ容量に対応可能なことが重要です。移行するデータ容量を下記手順でご確認ください。
移動したいデータ容量を確認する手順 |
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上記の方法で、サイズに書かれていたデータ容量が、例えば10GBで外部ストレージやサービスで移行する場合、容量16GB以上がおすすめです。
外部ストレージやサービスのパッケージや管理画面に容量16GBと書かれていても、実際には16GBぴったり入らないからです。システムファイルなどがあるため、実際は少し容量が減ります。
次にデータ移行で使用する外部ストレージ、クラウドサービス、方法について詳細及び特徴をご説明いたします。
USBメモリーを使用する場合
汎用的で普段からデータの移動用にお使いの方も多いメディアです。コンビニや量販店でも比較的手に入りやすく使ったことがあるというかたも多いのではないでしょうか。
手順もとても簡単で、古いパソコンで整理したデータを、手動でドラッグ&ドロップしてUSBメモリーに移行し、新しいパソコンに移すだけです。USBメモリーは移行したいデータ容量が少ない場合に適しているでしょう。一般的にUSBメモリーの容量は16GB~1TBのものが多いため、その範囲に収まるデータ容量であれば適切です。
外付けHDD/SSDを使用する場合
以前に比べて外付けハードディスク(以下外付けHDD)を使われている方も増えてきているのではないでしょうか。パソコン買い換え後のバックアップ先としても使えるため便利なアイテムです。
外付けHDDの場合は一般的に500GB~8TBのデータ容量がありますので、ある程度の容量でも対応できるのが特徴です。古いパソコンで外付けHDD内に保存したデータを新しいパソコンにつなぎ変えるだけなので買い換え時のデータ移行等もスムーズです。
また、外付けSSDはデータ読み書きの速度等性能が高く、外付けHDDよりも耐久性があると言われています。値段は他メディアに比べて高いのが難点ですがデータ移行だけでなく、新しいパソコンの万が一のためのデータのバックアップ先としても利用できますので保存したいデータの重要度や、動作速度が速いほうがよいというかたにはおすすめです。
クラウドサービスを使用する場合

USBメモリーやHDD等の記録メディアが手元にない、不要な費用をかけずに今ある環境でデータ移行(引越し)をしたいというかたもいらっしゃると思います。ネットワーク環境があれば利用できるのがクラウドサービスです。Wi-Fi環境しかない場合も利用が可能です。
クラウドサービスは様々なものがありますが、iCloudやGoogle Drive、Dropbox、OneDrive、boxなどが有名です。
下記が各サービスの詳細になります。
iCloud | Apple社が提供しているクラウドサービスです。5GBまで無料で使用できます。Apple製品と親和性が高いため、iPhoneやMacを使用している方におすすめです。/td> |
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Google Drive | Google社が提供しているクラウドサービスです。15GBまで無料で使用できます。Google製のサービスなので普段Googleアカウントを使用している方におすすめです。 |
Dropbox | Dropbox社が提供しているクラウドサービスです。2GBまで無料で使用できます。シンプルなUIで様々な端末で気軽にデータの共有が可能です。 |
OneDrive | Microsoft社が提供しているクラウドサービスです。5GBまで無料で使用できます。Microsoft製のサービスなので普段WindowsやExcel、Wordなどを使用している方におすすめです。 |
box | box社が提供しているクラウドサービスです。10GBまで無料で使用できます。法人向けのセキュリティー機能を搭載していて、法人向けプランでは容量が無制限なので個人より法人におすすめです。 |
※2024年1月時点
クラウドサービスは無料で使えるものと、一部データ容量によっては有料のものもありますが非常に便利なツールです。普段からデータのバックアップ先として使えたり、外出先からデータを共有してネットワーク上で使えたり、様々なツールとのデータ共有機能があるなど新しいパソコンで利用できる機能もあります。
ネットワーク上でデータを共有するため個人情報等が移行データの中に含まれている等、重要なデータがある場合はセキュリティ―面のリスクも考慮して利用するか判断しましょう。
PCホスピタルはデータ移行のサポートに対応しています。サポートを依頼する場合はこちら。
バックアップソフトを使用する場合

さまざまなシステム会社から、パソコンのデータバックアップと復旧のソフトウェアが販売されています。これらのソフトウェアを購入して説明書どおりに操作すれば、比較的簡単にデータの移行が可能です。
バックアップの手間をかけたくないかたや、初めてで自分でするのは不安、重要なデータを確実に移行したいかたにおすすめです。バックアップソフトは色々な会社から発売されているため、性能や機能などを見比べて適切なものを選択します。
例えば、バックアップを作成したいのはExcelやWordで作成したデータファイルのみなのか、それとも今使っている環境そのままOSごとバックアップしたいのかなど希望に応じて選択するソフトは変わります。またソフトによって備わっている機能が変わりますし、バックアップしたデータを保存するメディアによっても選択肢が変わるでしょう。自分にあったものを選択しましょう。
フリーソフトを利用する際には動作保証などがされていないケースもありますので、十分に安全なものか確認して利用するようにしてください。
USBケーブル・LANケーブルを使用する場合

ケーブルを使ったデータ移行(引越し)方法もありますのでこちらでご紹介します。
USBリンクケーブルでデータ移行をする
USBリンクケーブルでパソコン同士をつなぎます。データをドラッグ&ドロップするだけで手順がシンプルなのが特徴です。USBタイプのマウスを使っている場合は、USBポートの数に注意しましょう。手動でドラッグ・ドロップするためデータが大容量の場合には向かないでしょう。
LANケーブル(クロスケーブル)でデータ移行をする
LANケーブルを使う場合、大容量のデータを比較的早く転送できるのが特徴です。
しかし、利用に際してネットワークの設定の変更を行わなければいけない場合や、インターネットに接続したまま転送ができない場合もありますので、購入前にご自身のお使いの環境で適した方法なのか十分に確認しましょう。
【Windows】OS搭載の機能を使用する

OSにもデータ移行(引越し)機能が搭載されています。標準機能を使って移行(引越し)できるデータには限りがある場合もあります。古いパソコンが故障していてバックアップを取っていなかった時は正常に機能しないことがあります。
OSがWindows 10/11で、これまでと同じOSを新しいパソコンでも使用する場合は、「バックアップと復元」の機能を利用することができます。事前に古いパソコンで必要なデータをバックアップしていることを前提に復元方法をご紹介します。
Windows 10/11でデータを移行する手順 |
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【Mac】OS搭載の機能を使用する

Mac同士のパソコンのデータ移行(引越し)については「移行アシスタント」が便利です。フォルダー等のデータのほか、全てのアプリ・ユーザーアカウント・設定が移行できますが、Mac公式の設定でないものはうまく移行ができないケースがあります。
手順は、Thunderbolt(サンダーボルト)ケーブルでMac同士をつなぐ方法や、Mac OSのバックアップ機能であるTime Machine(タイムマシン)を利用する方法があります。
ここではThunderbolt(サンダーボルト)ケーブルを使ったデータ移行手順を紹介します。
MacからMacへのデータ移行手順 |
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プロにデータ移行サポートを依頼するのも対処法

データ移行や移行後の初期設定は時間がかかる作業のため、対応する時間が無い、もしくは人手が足りないといったことで困る作業という側面もあります。
データ移行及び初期設定でお困りの時はプロのパソコンサポート業者のPCホスピタルにご依頼いただくことをおすすめいたします。
パソコンのデータ移行はPCホスピタルにお任せください
パソコンを買い替えると、初期設定サービスなどのオプションで、業者がインターネット接続やWindowsの初期設定をやってくれる場合もありますが、ほとんどの場合は有料です。また、パソコンに詳しい友人に初期設定をやってもらうことはできても、個人的なデータの移行までは頼みづらいかもしれません。
今回ご紹介した初期設定やデータ移行などの方法は、段階を踏んで行えば、どなたにでもできる簡単なものです。パソコンを買い替えた際には、必要な初期設定やデータ移行などは、忘れずに行いましょう。
PCホスピタルでは、ここで紹介したデータ移行はもちろん、その他パソコン設定のサポートも行っておりますので、お困りの際はお気軽にご依頼ください。


修理対応 | 出張/持込/宅配 |
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対応エリア | 出張修理は全国47都道府県/持込修理は全国15店舗/宅配修理は全国47都道府県 |
実績 | 年間約10万件サポートの実績。様々なメーカー製パソコンの設定サポートを当サイト掲載中 |
料金 | 基本料金 8,800円 + パソコン設定サポート 3,300円~ + 出張サポートは2,200円追加 |
濱﨑 慎一(日本PCサービス株式会社 常務取締役 兼 NPO法人 IT整備士協会 理事)
2010年8月、日本PCサービス株式会社に入社。パソコン修理などデジタルトラブルを5年で4500件以上解決。その後、サポート人材育成など、事業責任者として、個人向けデジタルトラブル解決に8年半携わる。2019年より同社にて、法人向けサポートの取締役に就任。また特定非営利活動法人 IT整備士協会の理事として業界活性化のため正しいデジタル知識の普及、スマートフォンなどの新しい整備士資格の構築に携わる。
保有資格 パソコン整備士検定 取得