スマホのデータをバックアップする方法【iPhone/Android】

目次
スマホは、今や日常生活には欠かせないアイテムとなっています。電話やメールといったコミュニケーションツールの役割を果たす他、インターネットを使用して検索をしたり、ショッピングをしたりすることもできます。カメラの性能も年々向上し、デジタルカメラに匹敵する画質の写真を撮ることもできるようになりました。撮った写真をスマホ内に保存したり、SNS上にアップロードしたりして楽しむ方もいるでしょう。
連絡先やメール、写真など、スマホにはたくさんの大切な情報が保存されているため、きちんとバックアップを取っておくことが大切です。
今回はiPhoneとAndroidのデータをバックアップする方法をご紹介します。
1.スマホデータのバックアップを取る必要性
バックアップとは、コンピュータに保存されているデータを別の場所にコピーすることです。バックアップを残しておけば、万が一スマホが壊れたりして使えない状態になっても、バックアップしておいたデータを新しいスマホに戻すだけで、以前使用していたスマホと同じ状態で使用することができます。
スマホ内のデータは、頻繁に追加されたり更新されたりするものです。毎日バックアップを取ることは難しいにしても、バックアップはこまめに取っておき、いざというときに直近のデータの状態に戻せるようにしましょう。
また、スマホが故障しなくても、「しばらく同じスマホを使い続けてきたので、新しい機種に変更したい」ということもあると思います。そのようなときにバックアップデータがあれば、すぐに以前のスマホと同じ状態にすることが可能です。
iPhone とAndroidでは、データのバックアップ方法が異なるため、まずは、方法別のメリット・デメリットをご紹介します。
2.バックアップ方法によるメリットとデメリット
データの保存バックアップには、主にクラウドサービスを利用する方法と、HDDやNAS、SSD、SDカードなどの外部ストレージに保存する方法があります。
2-1.クラウドにバックアップするメリット・デメリット
メリット
- 同期機能や自動バックアップ機能がるので手間がかからない。
- (画像の加工やアルバム化、書類の整理など)クラウド上の便利な機能を使うことができる。
- アカウントに紐づいているので別のデバイスからもアクセスすることができる。
デメリット
- 月額料金が発生する。
- 料金の割に保存できるデータ量が外部ストレージと比べて少ない。
- データが多いとバックアップが長時間かかる。
- 不正アクセスされる可能性がある。
2-2.外部ストレージにバックアップするメリット・デメリット
メリット
- データ容量当たりの単価を低く抑えられる。
- 月額料金がかからない。
- ネットワーク環境によらないので高速に表示できる。
- オフライン環境でも表示できる。
デメリット
- 手動でバックアップする必要がある。
- HDDやNASなどの物理的な設置場所が必要。
- 落下などの衝撃に弱いので保管場所に注意する必要がある。
3.iPhoneでのバックアップ方法

iPhoneでデータのバックアップを行う方法は2種類あります。
1つは「iTunes」を利用する方法、もう1つは「iCloud」を利用する方法です。
3-1.【方法1】iTunesを利用する
iTunesでバックアップする方法はパソコンを使ってバックアップを取るため、スマホ以外にWindowsまたはMacのパソコンを持っている必要があります。データを保存する場所は操作をしたパソコンの中になり、パソコンのハードディスクの空き容量が大きければ、それだけ多くのデータをバックアップすることが可能です。
iTunesを使ったバックアップでは、スマホのほぼすべてのデータを保存することができます。App Storeで購入したデータはもちろん、ネットワーク設定やSafari、メールアカウントや通話履歴、カメラロールにある動画や写真もバックアップ可能です。
また、バックアップをする際に、暗号化をすることもできます。暗号化とは、データの内容を他の方には分からない状態にすることです。暗号化をするとバックアップに要する時間がかかりますが、セキュリティを重視するならば暗号化できるものはしておいても良いでしょう。ただし、バックアップデータを復元する際にパスワードが必要になり、パスワードを忘れてしまうと復元できなくなってしまうので注意してください。
3-1-1.iTunesによるバックアップ手順
- パソコンとiPhoneを接続してiTunesを起動
パスワードを求められたり、「このコンピュータを信頼しますか?」とメッセージが表示されたりした場合は案内に従いましょう。 - iPhoneが表示されるので選択
- 「今すぐバックアップ」を選択
暗号化する場合は、暗号化のチェックボックスにチェックを入れてください。
3-1-2.iTunesによるバックアップで対象とならないデータ
下記のデータはバックアップの対象になりません。
- iTunes Store および App Store から入手したコンテンツ、または Apple Books に直接ダウンロードした PDF
- Finder や iTunes から同期したコンテンツ (読み込んだ MP3 や CD、ビデオ、ブック、写真など)
- iCloud にすでに保存されているデータ (iCloud 写真、iMessage、テキスト (SMS) およびマルチメディア (MMS) メッセージなど)
- Face ID や Touch ID の設定
- Apple Pay の情報と設定内容
- Apple メールのデータ
- アクティビティ、ヘルスケア、キーチェーンのデータ (これらのコンテンツをバックアップするには、iTunes でバックアップを暗号化する必要があります。)
出典:Apple「iPhone、iPad、iPod touch のバックアップについて」2020年8月11日
3-2.【方法2】iCloudを利用する
iCloudとは、Appleが提供するクラウドサービスです。iCloudを使ったバックアップでは、スマホのデータをクラウド上に保存します。連絡先やメール、写真の保存はもちろん、スマホに保存されている設定情報やデータも、ほぼすべてiCloudへのバックアップが可能です。iCloudの利用は、パソコンの操作が必要ありません。Wi-Fiが使える環境なら、どこでもスマホ1つでバックアップ作業ができます。パソコンをお持ちでない方でも手軽にバックアップを取れる点がメリットですね。
ただし、クラウド上にバックアップをするため、保存できるデータの容量には制限があります。無料でバックアップできるのは5GBまで(2021年10月時点)で、それ以上の容量を保存する場合は有料です。
また、iCloudのバックアップは常に暗号化されて保存されます。
3-2-1.iCloudによるバックアップ手順
- 「設定」→「ユーザー名」と選択し、iCloudをタップ
- 「iCloudバックアップ」をタップ
- 「今すぐバックアップを作成」をタップ
3-2-2.iCloudによるバックアップで対象となるデータ
- App データ
- Apple Watch のバックアップ
- デバイスの設定
- ホーム画面と App の配置
- iMessage、テキスト (SMS)、MMS メッセージ
- iPhone、iPad、iPod touch 上の写真とビデオ
- Apple サービスからの購入履歴 (音楽、映画、テレビ番組、App、ブックなど)
- Visual Voicemail のパスワード (バックアップ時に使っていた SIM カードが必要)
出典:Apple「iCloud バックアップの対象となるもの」2020年8月11日
3-2-3.iCould+バックアップの容量別料金
iCloudでは無料で5GB分のストレージが付与されますが、写真や動画も含めて大量のデータをバックアップするには容量が足りないため有料版も用意されています。
サブスクリプション形式になっていて月額料金を支払うことで、ストレージ容量が多いiCloud+にアップグレードすることができます。
- iCloud+50GBストレージ付き:130円
- iCloud+200GBストレージ付き:400円
- iCloud+2TBストレージ付き:1,300円
※2021年10月時点
4.Androidでのバックアップ方法

Androidでは、OSの標準機能を利用したバックアップとバックアップアプリを利用したバックアップの2通りがあります。
4-1.【方法1】Googleドライブでバックアップする
Android OSはGoogleのインフラ上で成り立っているため、Android OSの標準機能として、Googleドライブと連携される仕組みになっています。
無料のアカウントでは15GB分のデータを保存することができます。(2021年10月時点)
GoogleドライブはAndroidの標準機能としてバックアップ機能を搭載しています。
Android OSの標準機能でバックアップ可能なデータは、GmailやGoogleカレンダーの設定、Wi-Fiのパスワードなど、自分のGoogleアカウントに紐づいているデータです。
Google Playからインストールしたアプリも、Googleアカウントにひもづいているためバックアップの対象になります。新しいスマホに変えたときには、自分のGoogleアカウントでログインするだけで、バックアップしたデータを復元することが可能です。
4-1-1.Android OSの標準機能によるバックアップ方法
※機種によって多少操作が異なる場合があります。
- Androidスマホで「設定」アプリを起動
- 「バックアップとリセット」をタップ
- 「私のデータをバックアップ」をタップ
4-1-2.Google Oneによるバックアップの容量別料金
Googleドライブ上にバックアップするのですが、有料ストレージとしてのサービス名としては「Google One」と呼ばれています。
- ベーシック100GBストレージ:250円
- スタンダード200GBストレージ:380円
- プレミアム2TBストレージ:1,300円
※2021年10月時点
4-2.【方法2】バックアップアプリを利用する
Android OSの標準機能を利用したバックアップ方法はとても簡単ですが、Googleアカウントにひもづいていない音楽データや写真データ、連絡先などの情報はバックアップされません。特に、消えてしまったら取り返しのつかないとても大切なデータは、バックアップを取っておくことをおすすめします。
Googleアカウントにひもづかない大切なデータは、バックアップアプリを使用してバックアップを取るようにしましょう。バックアップアプリにはさまざまな種類があるため、自分が気に入るアプリを探してみてください。基本的な操作方法は、どのアプリも同じです。
4-2-1.バックアップアプリを利用したバックアップ方法の例
ここでは代表的なバックアップアプリである「JSバックアップ」を使用してDropboxにバックアップする方法をご説明します。
- Playストアで「JSバックアップ」検索して、スマホにインストール
- 「バックアップ&復元」をタップ
- 「バックアップする」をタップ
- バックアップ先の「Dropbox」を選択
- 「スタート」をタップ
バックアップする場所やデータの名前、復元用のパスワードなどの情報が一覧で表示される場合は、スクリーンショットを撮るなどして保存しておくと良いでしょう。
5.HDDにバックアップする方法

スマホからHDDにデータを移行させてバックアップさせるには主に3つの方法があります。
ここで紹介する方法は、スマートフォン自体の完全な同期ではなく、写真、動画、書類、音楽などアクセス権があるユーザーデータのバックアップについてです。
NASやSSDにバックアップする場合でも方法は基本的に同じです。
5-1.パソコンと接続する
パソコンにHDDを接続した状態で、USBケーブルを使用してスマートフォンもパソコンに接続します。
Androidの場合はスマートフォンを接続すると「USBの使用」「USB設定の選択」「USB接続の用途」などと表示されます。これは、パソコンとどのような仕様で接続するかという確認の表示です。通常は「MTP(メディア転送プロトコル)」、「ファイルを転送する」を選びます。
そうするとパソコンのフォルダ階層のように、スマートフォンの中のでデータを参照できます。
データを移動させたり、コピーしてバックアップをしましょう。
パソコンのマウスとキーボードで操作できるので、初心者でもやりやすい方法です。
5-2.HDDに直接接続する
スマートフォンをHDDとUSBケーブルで直接接続することで、パソコンがなくてもファイルのやり取りをすることができます。
HDDはスマートフォンから直接アクセスすることができることを知らない人も多いのではないでしょうか。
Androidでは「ファイルマネージャーアプリ」を使用することで、アプリ上からパソコンのようにフォルダを移動してデータをコピペしたりできます。
小さな画面上で操作するので、誤って上書きしてしまったり、パソコン程は動作が安定しないので初心者にはあまりおすすめできない方法ですが、パソコンがない時には重宝する方法です。
ただしパソコンでのやり方がよくわからなかったり、パソコンがないといった場合には、デジタルデータの扱いに慣れたプロのパソコンサポートに依頼するのがおすすめです。
データバックアップサポートを提供するドクター・ホームネットに相談する。5-3.Wi-Fi経由でバックアップする
HDDやNASの中にはWi-Fi機能が搭載されている機種もあります。
スマートフォンのWi-Fiで直接データをやり取りする方式で、主に専用のアプリを使用してバックアップします。アプリ上から操作するので簡単な反面、できることが限られている場合もあります。
6.ブルーレイやDVDへのバックアップ

データの保存に用いられる記憶媒体としては、ブルーレイやDVDもあります。
DVD-R、DVD-RWなど、-Rが付くものは一度だけ書き込みができる記憶媒体で、動画を書き込んでプレイヤーなどで見ることもできます。
DVD-RWは複数回の書き込みが可能な記憶媒体になります。
規格に対応していれば、DVDドライブで読み書きができます。
データの受け渡しをするだけなら前述のUSBメモリやSDカードの方が便利ですが、DVD-Rは2度のデータ書き込みができず、DVD-RWもデータの書き換えを行わない限りDVD-Rと同じく誤ってデータを削除してしまうリスクが無いといったメリットがあります。
6.SDカードへのバックアップの方法
パソコンやクラウドサービスへのバックアップではなく、SDカードへバックアップする場合、iPhoneとAndroidで用意するものが異なります。
6-1.iPhoneのデータをSDカードにバックアップする方法
- 「Lightning – SDカードカメラリーダー」を用意
- 「Lightning – SDカードカメラリーダー」をiOS 9以降を搭載したiPhoneに接続
- 「Lightning – SDカードカメラリーダー」にSDカードを挿入
- 「写真」アプリで対象のデータを選択
- 左下の共有アイコンから「ファイルに保存」をタップ
- 一覧からSDカードをタップ
- 「追加」をタップ
6-2.AndroidのデータをSDカードにバックアップする方法
auの場合 |
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docomoの場合 |
出典:NTTドコモ『ご利用方法(バックアップ・復元)』2020年8月13日 |
SoftBankの場合 |
出典:ソフトバンク『[スマートフォン]SDカードにデータをバックアップ・読み込む方法を教えてください。』2020年8月13日 |
7.アプリのデータバックアップの方法
アプリ内のデータの保存場所はアプリごとに異なるため、各アプリの説明を読みましょう。端末内ではなくサーバーにデータを保存するアプリなら、ユーザー名とパスワードでログインすればいつでも復元できる場合もあります。代表的な2種類の例をご紹介します。
LINEのトーク履歴 | iPhoneの場合
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ポケモンGO! | アカウントに紐づいているため、手動でのバックアップは不要。 |
スマホのデータをバックアップするなら
iPhoneとAndroidでは方法こそ異なりますが、どちらもバックアップを取ることができます。「手間がかかりそう」「難しそう」と感じるかもしれませんが、自分の大切なデータを守るためには、定期的なバックアップが欠かせません。いざというときのためにバックアップを取っておくことをおすすめします。
ドクター・ホームネットでは、パソコンやスマホのサポートサービスを提供しています。困ったときはお気軽にご相談ください。