ブロックチェーン技術とは?仕組みやビットコインへの応用について解説

2017年7月に、国内の大手銀行グループとオーストラリアとの間で、ブロックチェーン/DLTを活用した実貿易取引を完了したとの発表がありました。今回の実貿易取引により、日豪間の貿易にかかるコスト削減や業務効率化が期待できます。

ブロックチェーンは金融取引や国際貿易に限らず、食品のトレーサビリティ(追跡可能性)やデジタルアートの所有者の証明に活用されるなど、今後ますます発展が見込まれる技術の1つです。

そこで今回は、ブロックチェーン技術の仕組みと、ビットコインをはじめとするブロックチェーンの応用についてご紹介します。

ブロックチェーンとは?

ブロックチェーンは、仮想通貨「ビットコイン」の中核技術として生み出されました。ネットワーク上で発生したいくつかの取引記録をまとめてブロックとし、取引の整合性が検証されたブロックをチェーンのように順次つないでいく概念です。

ブロックチェーンは、サトシ・ナカモト(中本哲史)氏が2008年に発表した、「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System(ビットコイン:P2P電子通貨システム)」という論文がもとになったといわれています。

ブロックチェーンを用いた金融取引のメリット

現在の既存通貨による金融取引では、国や銀行などが管理者となり、すべての取引を統括しています。そのような取引形態では手数料が発生し、営業時間などの制約も受けるため、小額の取引やスピードを要する取引には対応しづらいというデメリットがありました。また、政情が不安定な国では、国や銀行に大きな問題が発生すると、取引自体に支障をきたします。

ブロックチェーンを用いた取引の場合、国も銀行も介在せず、参加者同士の合意形成ができるシステムのため、手数料がほとんど発生しません。取引の承認にかかる時間の短縮も見込めます。

上記のようなメリットのあるブロックチェーンは、フィンテック(FinTech:ファイナンス・テクノロジーの略)の本命とされています。

改ざんを防ぐブロックチェーンの仕組み

ブロックチェーンとは、簡単にいえばすべての取引を記録する「取引台帳」です。そしてこの取引台帳は、世界中のすべてのユーザーに公開されています。ブロックチェーンは、どのようにして取引の改ざんといった不正行為を防いでいるのでしょうか?

以下で、ブロックチェーンの仕組みを詳しく確認してみましょう。

ハッシュ関数とハッシュ値

ブロックチェーンに限らず、ネットワークで通信を行う際の改ざん検知に用いられるのがハッシュ値です。

入力されたデータに対して規則性のない固定長(長さが一定)の値を返す関数をハッシュ関数と呼び、ハッシュ関数によって得られる値をハッシュ値、または単にハッシュと呼びます。ハッシュ関数に同じデータを与えれば同じハッシュ値を得られますが、異なるデータを与えれば、得られるハッシュ値は変化します。

ブロックチェーンにおける改ざんを検出する仕組み

ブロックチェーンでは、複数のトランザクション(取引)をひとまとめにしてブロックを作り、1つ前に作ったブロックのハッシュ値を持たせることを繰り返します。注目したいポイントは、ブロックに記録されているトランザクションがわずかでも変更されれば、ハッシュ値が変化する点です。つまり、各ブロックのハッシュ値を確認することによって、改ざんを検出することができる、といえます。

例えば、A→B→C→D→Eという5つのブロックから構成されるチェーンがあったとしましょう。もし悪意を持った何者かがブロックCに含まれるトランザクションの内容を書き換えた場合、ブロックCのハッシュ値が変化します。そうすると、後続のブロックDのハッシュ値、さらにその後続のブロックEのハッシュ値が変化。ブロックチェーンにつながっているブロックのどれを改ざんしても後続ブロックのハッシュ値が変わるため、改ざんはすぐに見破られてしまうのです。

ブロックチェーンを支える分散型データベース

中央サーバーによって管理される1つのデータベースを利用するのではなく、複数のデータベースを利用することが、ブロックチェーンの大きな特徴です。どれか1つのデータベースが壊れてしまっても、他のデータベースが存在しているので、取引情報が完全に失われてしまうおそれがありません。

例えばビットコインの取引では、発生した取引の情報がすぐにブロックチェーンに反映されるのではありません。利用者が発信した取引情報は、まずビットコインにつながっている複数のデータベースに送られます。そして、それぞれのデータベースは情報を受け取った後、「合意形成(マイニング)」を行った上でブロックチェーンに正しい情報を書き込むのです。

ブロックチェーン技術の応用

ブロックチェーン技術の利用は、ビットコインをはじめとする仮想通貨の決算や支払いに限りません。データの改ざんを防ぐブロックチェーンの仕組みは、他分野でも応用されています。

【1】食品のトレーサビリティ

最近の日本では、食品偽装や賞味期限改ざんなど、食の安全性が強く求められる傾向にあります。それに伴い、食品のトレーサビリティシステム(生産履歴追跡システム)を導入する企業も増えていますが、アメリカのスーパーマーケットでは、生肉の流通経路をブロックチェーンに記録する試みが行われています。これにより、もし問題が発生したとしても、すぐに発生源を突き止めて対策を講じることが可能です。

世界の食糧生産量の3分の1に当たる食料が廃棄される一方で、食べるものがなくて困っている方も少なくありません。ブロックチェーンで食品の流通を管理することによって、食品ロスを減らせる可能性も期待されています。

【2】デジタルアートの所有者の証明や愛の記録に

芸術の世界でも、ブロックチェーンを活用してデジタルアートの所有者や取引履歴を確認できるアプリケーションが存在します。アプリケーションを使って自分の作品を登録し、期限を決めて限られた数のコピーを貸し出すことが可能です。

少し変わった例では、カップルの交際・結婚の記録をブロックチェーンに書き込むというアプリケーションもリリースされているようです。

おわりに

ブロックチェーンとは、いくつかのデータをブロックにして、チェーンのようにつなげていくデータの記録方法です。国や銀行などを介在させずに、個人同士が取引をすることができます。つまり、第三者機関による証明を得ることなく、世界中の相手とピア・ツー・ピア(1対1通信)で取引をすることが可能になるのです。また、ブロックチェーンの導入によって時間を気にせずいつでも決済が可能になり、支払手数料を低く抑えられるなどのメリットもあります。

これまでの中央集権的なシステムとはまったく異なる発想のブロックチェーンは、ビットコインなどの仮想貨幣に利用されるだけではなく、投資や土地の登記、投票、生産物の管理などのさまざまな分野で応用されています。ビットコインから発祥したブロックチェーン技術は、今後の世界を変える革新的な技術といえるでしょう。

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